アニー・コーエン=ソラル講演会「神話の裏側、外国人ピカソ」のお知らせ
日仏美術学会会員の皆様、
いつもお世話になっております。東京大学の松井裕美です。
この度、下記の通り、11月6日(水)に東京大学駒場キャンパスにて、アニー・コーエン=ソラル講演会「神話の裏側、外国人ピカソ」を開催いたします。 皆様奮ってご参加ください。
なお、会ののちには会場と同じ建物の一室にて、簡単な懇親会を開催する予定です。 こちらもお気軽にお越しください。
松井裕美
記
タイトル:アニー・コーエン=ソラル講演会「神話の裏側、外国人ピカソ」
日時:2024年11月6日(水)15:00-17:00
場所:東京大学駒場Iキャンパス18号館4階コラボレーションルーム1
司会:松井裕美
言語:フランス語(通訳あり)
概要: ピカソの作品は数多くの展覧会や書籍、論評で紹介されてきたが、彼がフランスにおける「外国人」としてどのような状況に置かれていたのかについては、これまであまり注目されてこなかった。そのことを取り上げる本講演では、ピカソの伝記に新たな角度からアプローチすることで、それまで考えられてきたものとは異なる芸術家像を明らかにする。ここではピカソの作品の中でも、弱者の立場に置かれた人物像の描かれ方に注目する。この人物像は、二つの世界大戦の渦中で高まるフランス社会の緊張の中をうまく切り抜ける戦略の一つとして登場したものであり、古式の諸制度とも結びつくものでもあった。 これに付随し、次の問いに取り組む。まず、なぜピカソは1901年6月18日、パリでの初個展の2週間前に、「アナキストとして通報」されたのか。次に、なぜ1914年12月1日に、ピカソのキュビスム時代の絵画や素描といった700点近くの作品がフランス政府により没収され、ほぼ10年間その状態が続いたのか。さらに、1947年までピカソの絵画がフランスの公的コレクションにほとんど入っていなかったのはなぜか。最後に、なぜピカソはフランス国籍を取得しなかったのか。 本講演では、ピカソという一人の人物がどのようにしてその卓越した作品を世に送り出し、独自のネットワークを築き、フランスの近代化の力強さを体現していたのかについて紹介する。
※ 参加自由・登録不要・対面のみ
以上