ピカソと人類の美術
シンポジウムのお知らせ
京都工芸繊維大学との共催で以下のようなシンポジウムが開催されます。
皆様奮ってご参加くださいますようご案内申し上げます。
記
◆国際シンポジウム;「ピカソと人類の美術」◆
【日時】:2017年11月11日(土)10:00~18:00
【会場】:京都工芸繊維大学松ヶ崎キャンパス西構内1号館1階0111教室
◆趣旨:ピカソの作品には、時代と地域の違いを問わず、古今東西にまたがっての実に膨大なイメージの記憶が蓄積されている。こうした「人類の美術」への参照を問題にするとき、それが、「創造のための原点」であったという前提を共有しながら、「模倣」、「剽窃」、「借用」、「引用」といった様々な言葉で語られてきた。フランスとイタリアから2名のピカソ研究者をお迎えし、我が国で活躍するピカソ研究の第一人者並びにピカソ研究に携わる美術史家を発表者に加えて、ピカソの「人類の美術」への参照の意味を解明する。 ◆使用言語:フランス語と日本語 |
(チラシはこちら)
【主催】:京都工芸繊維大学デザイン・建築学系造形史研究室/日仏美術学会
【助成】:公益財団法人鹿島美術財団/公益財団法人ポーラ美術振興財団
【後援】:美術史学会
◇プログラム◇
司会進行:吉田典子(神戸大学教授)
10:00~10:10
来賓挨拶:高階秀爾:(東京大学名誉教授、大原美術館館長)
10:00~10:10
趣旨説明:永井隆則:(京都工芸繊維大学准教授)
10:20~11:00
基調報告:大髙保二郎:(早稲田大学名誉教授)
「ピカソと人類の美術-過去との対話・模倣と創造-」
11:05~12:25
招待講演 I:ロランス・マドリーヌ(フランス文化財主任学芸員)
「ピカソとアングル」(逐次通訳付)
12:25~13:30昼休憩
13:30~14:50
招待講演 II:カテリナ・ザッピア(ペルージャ大学名誉教授)
「ピカソとイタリア美術」(逐次通訳付)
発表 I
14:55~15:35
・松田健児(慶應義塾大学准教授)
「ピカソとスペイン(美術)- ベラスケスを軸に」
・永井隆則(京都工芸繊維大学准教授)
「セザンヌに変身するピカソ」
15:35~15:45 小休憩
発表II
15:45~16:45
・松井裕美(名古屋大学高等研究院(人文学研究科))YLC 特任助教):
「第二次世界大戦後のピカソの陶器制作と展示における「アナロジー」の思想-過去の継承と再解釈に関する一考察」
・大久保恭子(京都橘大学教授)
「境界侵犯者としてのピカソのプリミティヴィスム-変奏と独創-」
・町田つかさ(和泉市久保惣記念美術館学芸員)
「ピカソと日本 大戦を越えて、相互的受容の様相」
16:45~17:00 小休憩
17:00~18:00
全体討議 司会:大髙保二郎
閉会挨拶: 吉田典子
◇登壇者紹介◇
●大髙保二郎(Yasujiro OHTAKA)
フランス国文化財主任学芸員
マドリード大学哲・文学部大学院留学、早稲田大学大学院博士課程満期退学。専門はスペイン美術史、バロック美術。跡見学園女子大学、上智大学、早稲田大学各教授を歴任。著書に『ベラスケス』(中央公論社、1978)、ピカソ美術館4『戦争と平和』(集英社)、ピカソ展監修・論文執筆(1995、2002、03、04)、訳書にパラウ・イ・ファブレ『不滅のピカソ(Picasso vivent)』(共訳、平凡社、1983)など多数。
●ロランス・マドリーヌ(Laurence Madeline)
フランス国文化財主任学芸員
エコール・デュ・ルーヴル(École du Louvre、Diplôme de muséologie)、パリ第4大学(Université Paris IV、修士号、DEA)、国立文化財研究所(Diplôme de l’Institut National du Patrimoine)。 専門は、19世紀後半のフランス美術史、ピカソの芸術。著書に、Les correspondances de Gertrude Stein et Picasso(Gallimard, 2005)など多数。展覧会企画に、《Picasso. 1932 (Paris, musée Picasso, automne,2017)など多数。
●カテリナ・ザッピア(Caterina Zappia)
ペルージャ大学名誉教授
Ph.D.(メッシーナ大学、シチリア)、ペルージャ大学で近現代美術史を教授。専門は、ドニやピカソとイタリヤとの関係、伊仏交流史。著書に、Maurice Denis e l’Italia: journal, carteggi, carnets(Università degli studi di Perugia, 2001)他多数。展覧会企画に、Fascinante Italie de Manet à Picasso (1853-1917), Musée des Beaux-Arts de Nantes(2010)他多数。
●松田健児(Kenji MATSUDA)
上智大学外国語学部卒、マドリー・コンプルテンセ大学博士課程単位取得退学。専門は、ピカソを中心とするスペイン美術。著書に、『もっと知りたいピカソ 生涯と作品』(東京美術、2006)、論文に、「バルセロナにおけるピカソ作品の流通と蒐集-ふたつの個人コレクションと「美術展」」(『西洋近代の都市と芸術9 バルセロナ』(竹林舎、2017)など。
●松井裕美(Hiromi MATSUI)
東京大学人文社会系研究科(美術史学)を修了後、パリ西大学ナンテール・デファンス校にて修士号( Master 2)及び博士号(Doctorat)を取得。名古屋大学文学研究科特任講師を経て現職に至る。共編著にConstruction et définition du corps(2015)。共訳にジョルジュ・ディディ=ユベルマン『受苦の時間の再モンタージュ』(2017)など。
●大久保恭子(Kyoko OHKUBO)
大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門はフランス近現代美術史。著書に『〈プリミティヴィスム〉と〈プリミティヴィズム〉-文化の境界をめぐるダイナミズム』(三元社、2009)、『アンリ・マティス『ジャズ』再考-芸術的書物における切り紙絵と文字のインタラクション』(三元社、2016)など多数。第8回木村重信民族藝術学会賞受賞(2011)。
●町田つかさ(Tsukasa MACHIDA)
早稲田大学大学院文学研究科 博士後期課程 単位取得満期退学。早稲田大学會津八一記念博物館助手(学芸員)を経て、2013年より現職。専門はパブロ・ピカソ、特に第二次世界大戦以降の制作とその受容について。第21回鹿島美術財団賞受賞(2014)。
●永井隆則(Takanori NAGAÏ)
DEA(プロヴァンス大学)、博士(文学)(京都大学)、京都大学大学院文学研究科博士課程中退。専門はフランス近代美術史、デザイン史。京都国立近代美術館主任研究官を経て現職。著書に『モダン・アート論再考』(思文閣出版、2004)、『セザンヌ受容の研究』(中央公論美術出版、2007)、『もっと知りたいセザンヌ 生涯と作品』(東京美術、2012)など。
▼問い合わせ先▼
京都工芸繊維大学大学院デザイン・建築学系造形史研究室
▼アクセス▼
地下鉄(JR京都駅から国際会館行、または阪急烏丸駅下車、四条駅から国際会館行)松ヶ崎駅下車東へ徒歩20分
以上